乳児湿疹、アトピーの原因と正しいケア

赤ちゃんに現れる「乳児湿疹」の正しいケア方法と原因・種類

大人と比べると薄くバリア機能も弱い赤ちゃんの肌は、さまざまな肌トラブルが起こりやすい状態です。中でも、乳児湿疹あるいは乳児アトピーと呼ばれる湿疹にも、さまざまな種類・原因があり、多くの赤ちゃんが一度は経験します。

乳児の湿疹としては、乳児脂漏性湿疹、おむつかぶれ、あせも、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーによる湿疹などがあります。生後2週間頃から現れやすくなりますが、多くの場合、1~2歳までには自然治癒します。乳児に現れる湿疹にはさまざまな種類があり、症状からみて素人が判断するのは難しいですから、少し様子を見ても改善しない、悪化するという場合はドクターに相談するのが確実でしょう。

こちらでは、特に多くみられる乳児湿疹の代表的なものを取り上げ、原因やケア方法をご紹介します。

新生児ニキビ

(1)特徴

生後1週間から1か月の間によく見られます。見た感じは思春期ニキビと同じような赤いぶつぶつがほっぺやおでこに現れ、顔全体に広がって顔全体が真っ赤になることもあります。清潔な状態を保っていれば生後1~2か月くらいで自然と鎮静化します。

(2)原因

お母さんからの女性ホルモンの影響で皮脂の分泌の多い新生児では、過剰分泌された皮脂が肌表面や毛穴に溜まってしまうことが多く、これが主な原因と考えられます。他にも、外部からの刺激や汚れによって炎症を起こす場合や、赤ちゃんが触ったりひっかいたりすることで悪化することもあります。

(3)ケア方法

毎日の入浴時に、顔もしっかり洗い肌を清潔に保ちましょう。洗顔に関しては、赤ちゃん用の石鹸か赤ちゃん用のボディーソープの泡をたっぷりつけて、やさしく洗います。すすぎではお湯を含ませたガーゼで優しく拭い、余計な皮脂をしっかり落としましょう。

※新生児ニキビについて詳細は『赤ちゃんにできる「新生児ニキビ」原因とケア方法』をご覧ください。

乳児脂漏性湿疹

(1)特徴

湿疹の中でも新生児ニキビと並んで最も多く見られます。生後4か月頃までに現れやすく、顔面と頭部に黄色っぽいかさぶたのようなものやフケのようなものが出てきます。かゆみはほとんどありませんが、炎症を起こすと赤く腫れあがったり、患部がじゅくじゅくしたりすることもあります。

(2)原因

お母さんからの女性ホルモンの影響で皮脂の分泌の多い新生児では、過剰分泌された皮脂が肌表面や毛穴に溜まってしまうことが多く、これが主な原因と考えられます。他にも、外部からの刺激や汚れによって炎症を起こす場合や、赤ちゃんが触ったりひっかいたりすることで悪化することもあります。

(3)ケア方法

入浴時にしっかり洗い肌を清潔に保ちましょう。かさぶたのようなものがへばりついて取れにくい場合は、入浴前にベビーオイルやワセリンなどで患部をふやかしておくと、取れやすくなります。シャンプーやボディーソープは刺激の少ないものを使い、たっぷりの泡でしっかり洗いましょう。また、赤ちゃん自身が爪で患部を傷つけないよう、爪は丸く切りそろえ、掻きむしろうとするのであれば柔らかいミトンを付けてあげましょう。肌に触れるものはこまめに清潔なものと交換し、清潔を保つ工夫をしてください。

※乳児脂漏性湿疹について詳細は『乳児の「脂漏性湿疹」の原因とケア方法』をご覧ください。

あせも

(1)特徴

暑い季節や、ねんね期の赤ちゃんに多く見られます。首の周りや背中、おしりなど汗をかきやすく蒸れやすい部分によくできます。新生児では白いぼつぼつが、それ以降は赤いぼつぼつとなって現れ、かゆみをともないます。爪でひっかいてしまうと黄色ブドウ球菌に感染して膿がでてくる「とびひ」の状態になってしまうこともあります。

(2)原因

赤ちゃんは汗っかきで、体温も大人より高めです。その上、汗腺が未発達なため、汗が溜まりやすく、肌が重なっているところは特に蒸れやすい状態です。蒸れた環境では肌表面の表皮ブドウ球菌が増殖しやすく、それにともないあせもが現れます。

(3)ケア方法

毎日の入浴でキレイにすることと、汗をかいていたらこまめに着替えさせましょう。服は大人より1枚少ないくらいが目安ですから、着せすぎには注意してください。赤ちゃんが寝ている時は布団をかけすぎていないか、寝起きには汗をぐっしょりかいていないか、こまめにチェックして清潔を保つようにしましょう。

※赤ちゃんのあせもについて詳細は『乳児の「あせも(汗疹)」の原因とケア方法』をご覧ください。

アトピー性皮膚炎

(1)特徴

症状としては、顔面や頭部、耳たぶなどに赤い湿疹ができ、強いかゆみをともないます。乳児脂漏性湿疹と症状が似ていますが、何度も繰り返すことが多いです。

(2)原因

アトピー因子と呼ばれる遺伝子的にかゆみを起こしやすい体質に加え、アレルゲンに触れることで引き起こされる皮膚炎と考えられますが、原因・メカニズムは十分には解明されていません。アレルゲンとしては、ダニ、ハウスダスト、動物の毛、ストレス、食物アレルギーなど人によってさまざまです。

(3)ケア方法

アレルゲンが何かがはっきりしない限りは、なるべく症状を悪化させないよう、刺激を少なく清潔を保つケアをしていきましょう。洗濯洗剤や柔軟剤をよくすすぐ、衣類のタグを外すなど、小さなことの積み重ねが大切です。慢性的に症状が出るので、焦らずのんびり構え、どんな時、どんな条件で症状が現れるのか、根気よく見守っていく必要があります。

食物アレルギーによる湿疹

(1)特徴

アレルゲンとなる食物を口にすることで現れる湿疹です。症状としては、口の周りや口の中、あるいは全身に赤い発疹ができる場合もあれば、呼吸困難になったり下痢や嘔吐などの症状が現れることもあります。

(2)原因

特定の食物に対するアレルギー体質は胎児の頃から形成され、多くは生後間もない時期から5歳までに発症します。代表的なアレルゲンとしては、卵、牛乳、小麦、大豆が挙げられます。他にもアレルゲンとなる食品は無数にありますが、少なくともこの4食品に関しては妊娠期のお母さんの過剰摂取は控えた方がよいでしょう。乳食のスタート時も、強いアレルギー反応が起こる危険性がありますから避けた方が無難です。

(3)ケア方法

生後半年から1年頃になるとアレルギー検査を受けることもできますから、アレルギーの品目やその程度を明らかにしたで、専門家の指導を仰ぐという手もあります。

アレルゲンとなる食物が判明したら、軽度のアレルギーであれば1歳を過ぎるまでは避けた方が無難です。消化器官が発達する1歳を過ぎる頃には多くの場合アレルギー症状は治まってきますから、その頃から少しずつ、食べさせてみるとよいでしょう。ただし、思わぬアレルギー反応を引き起こす可能性がありますから、必ず医師に相談してからにしてください。

※湿疹や皮膚炎について詳しくは『湿疹・皮膚炎の種類』をご参照ください。

出典:ヘルスケア大学 赤ちゃんに現れる「乳児湿疹」の正しいケア方法と原因・種類

乳幼児のアトピー性皮膚炎について

アトピー性皮膚炎は、子どもに多い皮膚の病気です。生後すぐにブツブツと湿疹(しっしん)が現れることがありますが、アトピーでない場合もよくあります。また生後2~3ヵ月くらいから、皮膚がカサカサと乾燥してきても、それがアトピーであるとは限りません。焦らずに、まずは病院で相談しましょう。

アトピー性皮膚炎の原因や反応は様々です。ここでは、乳幼児のアトピー性皮膚炎で、よくある症状から原因について解説していきます。

季節や年齢によって変わる症状

アトピーは年齢によって皮脂の分泌が異なるため、症状も異なります。生後2~3カ月から1才ころまでのアトピー性皮膚炎は、顔や頭、耳にジクジクとした湿疹が出てきます。ヒジや足首などの関節の部分に湿疹が出たり、「耳切れ」といわれる耳のつけ根がただれて切れてしまうことがあります。

2~10才ごろは、手足の関節の内側や首、耳たぶなどにカサカサと乾燥した湿疹が出ます。この時期のアトピーを幼小児アトピー性皮膚炎といいます。

また、季節の影響としては、夏場は皮膚の化膿や汗、虫刺されによる刺激でジクジクしやすくなります。冬場は空気の乾燥によって、カサカサし、かゆみも強くなります。アトピーが冬に悪化することが多いのはこのためです。

乳幼児のアトピー性皮膚炎の主な原因

アトピーの原因・症状は人それぞれあります。特に多いと言われているのがダニやハウスダストです。

・ 摂取する食物によるアレルゲン(アレルギー症状を引き起こす原因)

・ ダニ・ハウスダスト・鳥の糞などのアレルゲン

・ 入浴の石鹸等の使用により元々弱かった皮膚のバリア機能を弱めていること

・ 皮膚に常在している細菌

・ ストレスの影響

・ カサカサ肌や乾燥肌

・ 汗によって皮膚にうける刺激

・ 環境基準に定められる有害化学物質

どういったケアや治療が必要か

アトピー性皮膚炎の疑いがある場合は、小児科か皮膚科で血液検査を。そして皮膚による食物アレルギーの検査を受けて、医師の指示に従いましょう。やみくもな食事制限は、栄養障害を起こす危険性があるので、素人判断はしないようにしましょう。

医師によるアレルギーテストの結果、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関与があり、原因となる食物がはっきりし、除去する必要があると判断された場合は、その食物を食べないようにします。

その他、肌の清潔を保つことも必要です。ジクジクとした湿疹には、香料不使用で殺菌力のある石鹸で、乾燥した湿疹の場合は脂分を取りすぎないように、洗浄力の弱い石鹸を使用しましょう。その際、強くこするのではなく、やわらかいガーゼや手のひらを使ってやさしく洗い、皮膚の汚れを落としてあげましょう。

アトピーは、成長すると治る場合が多い

お子さんがアトピー性皮膚炎になってしまったからと、不安になりすぎてしまうことはありません。赤ちゃんや小さいお子さんは、まだ肌の機能が整っていないので、外部からの刺激に弱い状態です。これから成長していくと共に、皮膚は丈夫になっていきます。大きくなっていくうちに症状がおさまって、治ってしまう場合が多いのです。

出典:スキンケア大学 乳幼児のアトピー性皮膚炎について


乳児の「あせも(汗疹)」の原因とケア方法

あせも(汗疹)の症状は、一般的にはちくちくとしたかゆみをともなって現れる赤い湿疹です。新生児では、透明や白色に現れる場合もあり、かゆみはほとんどなく、「水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)」と呼ばれます。

汗っかきで肌と肌が重なる部分の多い赤ちゃんでは、特に夏の暑い時期はあせも(汗疹)ができやすいのです。汗をかきやすい部分や溜まりやすい部分で起こりやすく、最も多いのがおしりや腰、次に多いのが頭と首です。

たかがあせも(汗疹)…と侮っていると、範囲が広がり膿を持った「とびひ」となる場合もあるため、注意が必要です。とびひは水膨れやかさぶたのような状態でかゆみと痛みをともない、引っ掻いたりして水膨れが破れると中の菌が周りに飛び散り、「飛び火」のごごとく広がってしまいます。よって、赤ちゃんのあせも(汗疹)に対しては、予防と早めのケアをきっちり行うことが大切です。

あせも(汗疹)の原因

あせも(汗疹)の原因は汗です。赤ちゃんは大人と比べ体温は高く新陳代謝が盛んなうえ、大人の肌よりも汗腺が密集しています。そのためとても汗をかきやすいのですが、まだ汗腺が未発達なため、分泌された汗が汗腺の出口(汗孔)に詰まりやすく、不衛生な状態です。

汗が肌表面や汗孔に長時間溜まると、常在菌である表皮ブドウ球菌が肌表面で増殖し、それに対する炎症反応としてあせも(汗疹)が現れます。汗をかいたら拭いたり着替えさせたりと汗を溜めない工夫をし、清潔を保つことが重要です。少量のおしっこでも、まめにおむつを替えてあげることも効果的です。

あせも(汗疹)のケア

あせも(汗疹)のケアの本質は、汗をかいたままにせず、 清潔を保つということです。

あせも(汗疹)を予防するために、衣類は少な目に、大人より1枚少ないくらいを目安と考えます。室内の温度・湿度を快適に保ち、夏の暑い時期は、「自然の風」にこだわる必要はなく、適度にエアコンをつけて汗をかきすぎない環境を整えてあげましょう。

肌に直接触れるものは天然素材など肌に優しい通気性のいい素材のものがよいでしょう。入浴の際は、しっかりと皮脂や汗を洗い流し、優しく洗ってあげてください。

あせも(汗疹)ができてしまった場合、かゆみで引っ掻いてしまったり衣類が擦れると範囲が広がったりじゅくじゅくと悪化してしまうことがあります。少しのあせも(汗疹)でも、放置せず、赤ちゃんの手にミトンをつけたり普段以上に清潔を保つ工夫をしてください。

もし悪化してとびひになってしまった場合、セルフケアではどうにもならないので、小児皮膚科を受診してください。

出典:ヘルスケア大学 乳児の「あせも(汗疹)」の原因とケア方法

乳児の「おむつかぶれ」の原因とケア方法

おむつかぶれは、ほとんどの赤ちゃんが何度か経験する肌トラブルです。医学的に「おむつ皮膚炎」とも呼ばれます。おむつによる蒸れや、おむつの中の尿や便が刺激となって赤ちゃんのおしり、肛門、性器、太もも辺りに炎症が起こります。

肌が薄くバリア機能も不十分なため、赤ちゃんの肌はすぐに炎症を起こしてしまいます。赤くなる場合もあれば、白くなる場合もあり、発疹が現れたり、全体的に真っ赤になったり、カサついたりと、症状はさまざまです。おむつのギャザーが当たるところにもできやすいですが、あせもとの見分けが難しい場合もあります。

見た目に何らかの炎症が現れるので気づきやすいのですが、他に、おしりを拭くと痛がって泣いたり、おむつを外すとおしりをかこうとするなどの行動が見られたら、おむつかぶれを起こしかけている可能性があります。おむつかぶれの原因も症状もさまざまですが、適切なケアを行えば、おむつかぶれを起こすリスクを軽減できるでしょう。

おむつかぶれの原因

おむつかぶれの原因が一つというのはまれで、多くの場合、複数の原因が重なっておむつかぶれを起こしています。主な原因をご説明します。

□尿や便

尿は排泄してから時間がたつと分解がすすみ、尿素がアンモニアになると肌に刺激を与えます。便は腸内細菌などを含み、尿以上に強い刺激性があります。尿と便が混ざり合った状態ではアルカリ性で、雑菌や微生物が増殖しやすい環境になり、一層肌への刺激は強くなります。下痢の場合、特に刺激が強くなります。

□おむつによる蒸れ

尿や便をしていなくても、赤ちゃんの汗で、おむつの中は高温多湿の蒸れた状態になります。薄くデリケートな肌はふやけ、傷つきやすい状態になります。

□おむつ擦れ

おむつのギャザーの入ったウエスト部分や足の付け根周りは、おむつの擦れによって肌に傷がつきやすい状態になります。テープタイプの紙おむつをきつくしすぎたり、紙おむつのサイズが合っていない場合にも、擦れによっておむつかぶれが生じやすくなります。

□カンジダ菌(カビの一種)

高温多湿のおむつ内部は、カビが繁殖しやすい環境で、「カンジダ」というカビが繁殖することで炎症を起こすおむつかぶれもあります。他の原因によるおむつかぶれとは区別して「乳児寄生菌性紅斑(にゅうじきせいきんせいこうはん)」とも呼ばれます。

おむつかぶれのケア

おむつかぶれを予防するには、まめにおむつを取り替えることが一番。また、おむつ替えの際におしりふきでごしごしこすりすぎず、やさしく扱うことも大切です。とにかく、清潔に保つよう心がけましょう。下痢の場合や便がへばりついて取れにくい場合には、シャワーで流すか、ペットボトルに入れたぬるま湯で流すなど、こするよりは洗ってあげた方がよいです。また、おむつ替えですぐに新しいおむつを付けてしまわず、風通しの良い場所でおしりを外気にさらしてあげるのも効果的です。

おむつかぶれを起こしてしまったときは、基本的には原因に合わせてケアを行うのが効果的です。原因に心当たりがあれば、まずは原因となっている刺激をなるべく与えない工夫をします。

セルフケアでどうにもならない場合はドクターに相談することをオススメします。原因がカンジダ菌であった場合、抗真菌剤の塗り薬による治療が必要となりますし、他にも処方された塗り薬を塗っただけであっという間に治ってしまうこともあるのです。

出典:ヘルスケア大学 乳児の「おむつかぶれ」の原因とケア方法

乳児脂漏性湿疹の症状とケアのしかた

乳児脂漏性湿疹とは

生後1か月~2才までの生まれたての赤ちゃんは、お母さんの体内のホルモンに影響されているので、皮脂の分泌が盛んになっています。その為、耳の周辺や頭皮など、洗い方が不十分であった場合厚くて黄色のかさぶたが出てきます。これを乳児性脂漏性湿疹といいます。

乳児脂漏性湿疹の症状と原因

赤ちゃんに見られる湿疹を総称して「乳児湿疹」と呼びますが、中でも多いのが脂漏性湿疹です。特徴としては、体にはできず、首より上にできます。頭の中が黄色いかさぶたのようなもので覆われたり、眉毛の中、おでこ、頬などにフケのようなかさかさしたものができたり、赤い湿疹として現れる場合もあります。かゆみはあまりありません。生まれて間もない時期は、新陳代謝が盛んなのに加え、お母さんの女性ホルモンの影響が残っています。そのため、生後3か月くらいまでは特に、皮脂の分泌が盛んです。これは成長の過程で起こる当たり前の現象なので過剰に敏感になる必要はありませんが、この頃の乳児の肌は汗や皮脂が溜まって汚れやすい状態です。さらに皮脂の出口である毛穴が未発達なため詰まりやすく、大量に分泌される汗と皮脂の影響で脂漏性湿疹を起こします。

脂漏性湿疹とアトピー性皮膚炎の違い

脂漏性湿疹

かゆみがあまりありません。首より上に症状がでます。

アトピー性皮膚炎

痒みをともないます。首やひじ、ひざの裏などの屈伸する部位や外界からの刺激を受けやすい場所に現れます。

血液検査において血清IgE値の上昇がみられます。

脂漏性湿疹のケア

脂漏性湿疹は、皮脂の分泌過多という原因そのものに働きかけることはできないため、分泌された皮脂をいかに溜めないか、つまり、皮脂汚れを落とし清潔を保つことが一番のケアとなります。そこで、毎日の入浴でしっかり皮脂やかさぶた上の脂を落とすことが重要です。

ただし、乳児の肌は薄くデリケートですから、ごしごし洗いは禁物、たっぷりのベビーソープやベビーシャンプーで、くるくるとマッサージするようにやさしく洗ってあげてください。頭皮や眉毛の中など、頑固な脂の塊が見られる場合は、入浴前にベビーオイルやワセリン、オリーブオイルなどをつけておくと柔らかくなってとれやすくなります。そして、湿疹を引っ掻いて傷つけないように、赤ちゃんの爪も丸く短く切っておきましょう。

乳児の肌荒れ対策

皮膚を清潔に保つことが大切です。入浴時の温度はややぬるめのお湯がいいでしょう。

体を洗う際にはせっけんを良く泡立てこすらないようにしましょう。ナイロンタオルなどを使用すると肌に負担をかけ、湿疹の原因になります。入浴後の肌がカサカサする場合は保湿剤を使用してください。

乳児の肌に触れる寝具は清潔に

入浴して肌を清潔にしても、その後睡眠時に触れる寝具も清潔に保つことが大切です。

ダニやハウスダスト、ペットの毛といった外部からの刺激によって湿疹が悪化してしまう事があります。

また、低温や低湿度の環境下では症状が悪化しやすいので環境を整えることも大切です。

乳児の爪は常に短く

皮膚にはもともと癜風菌という弱い菌が常在しています。体力が低下したときや皮膚が菌に弱い場合、皮脂が脂っぽい場合といった時には常在菌である癜風菌が悪さをします。

皮膚の表面に余計は皮脂がたまった状態で紫外線やこの癜風菌の刺激が加わる事で皮脂が脂肪酸へと分解されます。この分解過程が原因となります。ですから、皮膚上に存在する癜風菌が爪に溜まって他の部位にうつることがないように清潔に保つことが必要なのです。

出典:ヘルスケア大学 乳児脂漏性湿疹の症状とケアのしかた

赤ちゃんにできる「新生児ニキビ」原因とケア方法

生後2週間から3ヶ月の赤ちゃんにできるニキビのことを“新生児ニキビ”と呼びます。ここでは、赤ちゃんのニキビの原因は一体何なのか、具体的なケアはどうしたらいいのかについて解説します。

赤ちゃんにニキビが…!原因は?

大人や思春期のニキビは「毛穴に皮脂が詰まって炎症を起こす」「アクネ菌が繁殖する」というのが代表的な原因。赤ちゃんも例外ではなく、たっぷりと汗をかいた後に毛穴がつまると、ニキビや湿疹などの赤いブツブツができてしまいます。他にも、寝る時間が大人よりも多い赤ちゃんならではの原因もあります。それは肌に触れる寝具の汚れ。ちょっとした汚れでも、赤ちゃんの肌は過敏に反応してしまうのです。

これらよりも強く影響するのは出生時に受け継いだ母親のホルモンの影響です。赤ちゃんの毛穴は未発達で、ホルモンに対応しきれず皮脂や汚れを毛穴に停滞させてしまうのだとか。それが皮脂腺を刺激して、ニキビができてしまうのです。体内のホルモンが原因なので、ニキビができていないほかの部分が乾燥していてもできる場合があります。このようにホルモンが影響しているニキビは、体が発達してくると順応できるようになるため、自然に消えていく傾向にあります。

■新生児ニキビのケア方法

赤ちゃんをお風呂に入れたり、着替えさせてあげたりする際に、オムツや洋服でムレたりかぶれたりしやすい部分をチェックしてあげましょう。赤ちゃんのニキビはあまりに赤く腫れ上がったり広範囲に広がったりしない限り、特別に治療は必要ありません。ただ、清潔を保ち、傷つけないようにしていれば、ほとんどは自然に消えていきます。

予防策としては、体を清潔に保ってあげることです。お風呂では必ず石けんを使ってやさしく洗いましょう。このとき、きめ細かい泡にすると肌へのダメージが抑えられます。泡が残らないように洗い流して、やわらかいタオルでふいてあげてください。

そしてお風呂上りには必ず保湿をします。低刺激のベビーローションやクリームを使いましょう。他にも、日中は汗をこまめにふきとってあげたり、爪を切ってひっかかないようにしてあげたりと、細かいですがケアをしてあげてください。寝具や衣類、タオルはやさしい風合いのものを使用します。

あまり神経質になりすぎなくても大丈夫

一言で“赤ちゃんのニキビ”と言っても、その原因はさまざま。「いくら清潔にしていてもニキビが治らない…」と神経質になりすぎるよりも、少し気長に、でもしっかりと清潔を保ってあげることが大切です。ただし、症状がひどい場合はすぐに皮膚科を受診するようにしてください。

出典:ヘルスケア大学 赤ちゃんにできる「新生児ニキビ」原因とケア方法

いつまで続く?乳児湿疹のピークと完治までの期間

乳児湿疹のピークって?

乳児湿疹とは、その名の通り乳児の皮膚に起こる乳児特有の湿疹のことです。乳児の肌はとても薄く敏感で弱いため、環境や体質はもとより、食べこぼしの汚れや汗などが原因で赤くカサカサになったり、かゆみや痛みを伴った腫れを起こしたりする場合があります。乳児湿疹ではなく、アトピーと呼ばれる場合もありますが、本質的には同じで一時的なものではなく、長く続いて繰り返し発症します。

乳児湿疹には個人差もありますが、出生時より生後3ヶ月くらいまでの間は胎児副腎由来のデヒドロエピアンドロステロン(DHA)の血中濃度が高く皮脂分泌が亢進するため(生後2~3ヶ月で低下)脂漏性湿疹ができる赤ちゃんが少なくありません。それ以後も続く場合はアレルギー性のアトピー等の可能性も考えられますが、乳児湿疹が出ているうちはアレルギー性のアトピーかどうかの判断が難しいため、1~2歳頃までは経過を見る必要があるでしょう。

月齢別に見る乳児湿疹の特徴

(1)出生後~2ヶ月・3ヶ月頃

お腹の中にいた時のホルモンの影響で、皮膚の脂肪分が多い時期となります。ニキビのように赤く腫れた湿疹がよく見られます。

(2)4ヶ月~9ヶ月頃

皮膚の脂肪分が少なくなることで、今度は乾燥による湿疹ができはじめます。かゆみを伴うため、掻きむしったところから雑菌が入り、じゅくじゅくになることも。このような症状の場合は、小児科や皮膚科を受診するようにしましょう。

(3)10ヶ月~1歳頃

どんどん皮膚が強くなっていき、乳児湿疹が改善してくる頃です。改善しない場合には乳児湿疹ではなく、体質的な湿疹の可能性もあるため小児科や皮膚科を受診するようにしましょう。

乳児湿疹になりやすい季節

乳児湿疹の発症時期は季節に関係なく、皮脂腺の多い額や口のまわり、頭などに発症しますが、生後3・4ヶ月頃からは肌が乾燥するようになり、汗をかきやすくなる夏頃までは乾燥が続きやすい傾向にあります。そのため、0歳代の9月から4月頃までは要注意時期と言えそうです。

乳児湿疹は1歳頃を目処に治っていくことが多いのですが、夏生まれ・秋生まれの赤ちゃんは、皮脂の分泌が少なくなり始める時期と空気が乾燥する時期が重なるため、肌をこまめに保湿してあげるようにしましょう。また、1歳を過ぎて湿疹が落ち着いてきてからも、乾燥する季節になると再発する場合もあります。

乳児湿疹、どれくらいの期間で治る?

乳児湿疹が完治するまでには個人差があり、患部の状態を清潔に保つことや、正しい治療を行うなど、しっかりとケアすることが早く完治させるためには欠かせません。

湿疹ができても、洗浄や保湿などを正しく行うことで2週間ほどすれば一旦良くなり、3~4週間ほどで完治する場合が多いでしょう。

いつまでたっても治らない場合や、どんどんひどくなる場合には、早めに小児科や皮膚科を受診するようにしましょう。

出典:ヘルスケア大学 いつまで続く?乳児湿疹のピークと完治までの期間

乳児湿疹の原因は母乳?ママの食事と赤ちゃんのアレルギーの関係

原因のひとつは母乳?

乳児湿疹とは赤ちゃんの顔や身体に出る赤い湿疹などを総称したもので、肌が薄く敏感な乳児期には、湿疹を発症するリスクが高くなります。

その原因は様々あるため、一概に「これが悪い」というものはありません。母乳で育てている場合には、ママの食事が赤ちゃんの健康状態や湿疹に出ると言われることもありますが、それはたくさんある要因の中のひとつにすぎません。もちろん赤ちゃんが健やかに育つためには、ママがバランスの良い食事を摂ることはとても大切なことです。

脂分の多い揚げものや糖分が著しく高いお菓子類を摂りすぎた時に出る母乳は、脂肪分や糖分が高くなるため、それをそのまま赤ちゃんが摂取することになります。また、偏った食事を摂ることで母乳の分泌量が多くなりすぎてしまうと、体内に溜まってしまい母乳の質が落ちてしまうことも考えられます。例えば、ママが大豆や小麦、乳製品などを食べ過ぎてしまうと母乳にたんぱく質が多くなり、赤ちゃんの体内で消化しにくくなることで、それが湿疹となって現れることもあります。

もちろん前述の通り湿疹の原因は母乳だけに限りませんが、ママがバランスの良い食事を摂ることで質の高い母乳が作られ、乳児の体内を健康に保つことには変わりありません。

赤ちゃんの肌を考えた健康的な食事って?

母乳育児をしているママがバランスの良い食事を摂ることで湿疹の予防だけでなく、病気や体調不良のリスクを回避することにもつながります。母乳の質を高めるためにも、以下の点を意識しましょう。

脂っぽいものをたくさん食べ過ぎないようにする

お菓子やケーキなど、糖分が著しく多いものは食べる量を控える

栄養バランスを考え、野菜などを積極的に摂るようにする

ジャンクフードと呼ばれる食事、栄養の偏った食事、量が著しく少ない・多い食事を続けていると、それが母乳に少なからず影響します。食事による母乳の変化や、乳児の影響は個人差があるため、「こんな食生活の時に湿疹が悪化した」「これを気にかけていたら湿疹が快方に向かった」など、記録しておくと良いでしょう。

ただし、気にしすぎて食事制限をすることで、かえってストレスが大きくなって母乳の質が落ちてしまいます。あまり神経質になりすぎず、状態を見ながら自分なりの改善方法を探ってみるのが良いでしょう。

出典:ヘルスケア大学 乳児湿疹の原因は母乳?ママの食事と赤ちゃんのアレルギーの関係

乳児湿疹の保湿と薬(ステロイドなど)、石鹸洗浄の正しいやり方

乳児湿疹の効果的な保湿方法

赤ちゃんの肌が腫れたり、かぶれたりする乳児湿疹。ベタベタとする脂漏性のものから乾燥性のものまで様々ですが、特に乾燥性の湿疹の場合は、しっかりと保湿をしてあげることが大切です。

最適な保湿方法は症状によっても異なりますが、マッサージオイルや赤ちゃんにも使える低刺激のローション、ベビーローションなどでこまめに保湿をすることで快方に向かう場合もあります。ただし症状が重い場合には専門医に相談をし、医師から処方された保湿剤やプロペト(ワセリン)などでしっかりと保湿をしてあげる必要があります。

保湿の回数や量の目安は「乾燥している肌が、しっとりするまで」。特に赤ちゃんがかゆがっている時は乾燥が原因の場合もあるため、かゆそうな箇所がしっとりするまで塗ってあげることでかゆみも軽減します。特にお風呂上がりは、乾燥しやすいため保湿は必須となります。また乾燥がひどい場合はこまめに保湿することを心掛けましょう。

保湿剤だけでなくステロイドなどの薬を併用する場合には、まずはじめに保湿剤で肌を潤してあげてから、ステロイドを必要箇所へ少量だけ塗るようにしてください。薬を先に塗ってしまうと保湿剤を塗る際に薬を一緒に塗り広げてしまい、肌へ負担がかかってしまいます。

ステロイドを赤ちゃんの肌に塗っても大丈夫?

ステロイドの使用については賛否両論ありますが、小児科や皮膚科で処方された薬を医師の指示どおり必要量塗布していれば赤ちゃんへの大きな問題はないと考えて良いでしょう。

薬を使用する・しないの判断は、「赤ちゃんがかゆそうかどうか」をひとつの目安にしてください。ステロイドは「肌荒れを治す」と同時に「かゆみをやわらげる」ための薬。かゆみによって赤ちゃんが無意識のうちに掻きむしってしまうと、その傷によってさらに悪化してしまいます。適切な外用剤でかゆみを軽減してあげることは、その後の経過にとっても効果的です。

薬を塗る箇所の判断も同じで、「赤ちゃんがかゆがる部分」また、「肌を触ってみて、掻きむしった痕があるところ」に少量を塗ってあげると良いでしょう。

乳児湿疹を和らげる、正しい洗い方

乳児湿疹を治すためには、肌を清潔に保つことも大切です。毎日の入浴時にしっかりと洗ってあげて、できるだけ清潔な肌を保ち、悪化を防ぐようにしましょう。

洗う際に使う石鹸は、乳児用の弱酸性の固形石鹸であれば問題ありません。ボディーソープなどを使う場合も、液体そのままを塗るように洗うのではなく、泡立てネットなどを活用してしっかりと泡立て、泡を使って肌を洗ってあげてください。

洗う際は泡をそっと当てるだけでなく、指の平を使ってゴシゴシと念入りに洗ってあげましょう。爪を立てたり、大人用のタオルなどで強く洗いすぎたりすると、赤ちゃんの敏感な肌を傷つけてしまうことになります。柔らかいガーゼなどで洗うのもおすすめです。湿疹がひどい場合や汗をかく時期などは、1日2回ほど洗ってあげると良いでしょう。ただし、お風呂上がりは乾燥するので、忘れずに保湿をしてあげてください。

出典:ヘルスケア大学 乳児湿疹の保湿と薬(ステロイドなど)、石鹸洗浄の正しいやり方

赤ちゃんのスキンケアについて考える。アトピーの発生とスキンケアの関係

子供のスキンケアとアレルギーの関係

・ 赤ちゃんの肌はアレルゲンをブロックするバリア機能が未熟で、皮膚アレルギーを起こしやすい。

・ バリア機能を補うスキンケアを生後6ヶ月間しっかりと行うと皮膚アレルギーを防ぐことができ、アトピーの発症リスクを下げられる。

・ 食べ物アレルギーや花粉症などは、今まで遺伝的要素や内臓でアレルギーを起こすことが原因と考えられてきたが、始まりは皮膚でアレルギーを起こすことである可能性が高い。

それでは、生後6ヶ月のスキンケアは、どんなものを使うのがベストなのでしょうか?

子供のスキンケアに良いものとは

日本ではあまり多くありませんが、アメリカではピーナッツを食べることで呼吸困難などを起こすピーナッツアレルギーを患う人が少なくありません。この原因はベビーオイルとしてピーナッツオイルを使う習慣があったためと考えられています。

アレルギーのメカニズム

赤ちゃんに使うものを選ぶとき、とりわけ「植物性」と聞くと安心してしまいがちです。しかし、アレルギーを起こす原因のほとんどは、植物や動物に含まれるタンパクです。そのため、赤ちゃんのスキンケアにおいては未精製の植物原料は非常にリスクが高いのです。

逆に昔から保湿剤の代名詞であるワセリンは石油由来物ですが、アレルギーリスクは極めて低いものです。ですので、植物性ということにこだわるのではなく、きちんと精製されアレルギーリスクとなるタンパクが取り除かれたものを使うのがベストです。

私の考えとしては、一番アレルギーを起こしにくい成分というのは、皮脂や細胞間脂質、天然保湿因子などに含まれる皮膚に本来存在する成分ではないかと思います。そんなコンセプトでこれから小児用のスキンケアが多く開発されることを親の立場としても願っています。

出典:スキンケア大学 赤ちゃんのスキンケアについて考える。アトピーの発生とスキンケアの関係